「デザイン事務所」のビジネス

長い冬が終わり、すっかり春らしくなった札幌ですが。。。皆さん「春らしい」って、「桜が咲いた」とか「緑の香りがし始めた」っていうイメージでしょうか。。。

札幌の春を感じるものって「埃」だったりするのは僕だけでしょうか??(笑)

 

今日の朝、Facebookを閲覧していると面白い記事を目にしました。(FBであげちゃったけど・・)

「nendoが乃村工藝社と業務提携」

nendoと言えば、佐藤オオキさん率いる世界的なデザイン事務所。

エリアにとらわれず、建築、プロダクト、グラフィックなど多種多様なデザインで成果を上げている。

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本来、デザイン事務所というのは「エリア」があってはいけないですよね。。なんでもデザインできなきゃ意味がない。

乃村工藝社といえば、丹青社と並ぶ(どっちが上か?わからない)空間ディレクションを中心とした大手企業。

その2社が「世界に通じる空間プロフェッショナル・ファーム」を目指し「onndo(オンド)」という組織を新設したのだ。

その「onndo」の最新作は3/25にオープンした新宿駅南口ルミネの新しい商業施設「NEWoMan」のテナント「Bbyb.Shinjuku.Sta」だ。

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いいですね!首都圏のデザインシーンはビジネス的にも造形的にも何とも羨ましい姿だろうか。。

さて、この提携話。

「今後のデザイン事務所ビジネスの可能性」を秘めているように感じる。

乃村工藝社にも「デザイナー」や「デザインディレクター」が多数在籍しているが、単に「デザイン力」を求めた提携ではないと思う。

nendoの世界的存在感と、乃村工藝社の空間ディレクション総合力を掛け合わし、新たな価値提案とビジネスモデルの共有が狙いだと感じます。

「デザイン事務所」というと、企業側は「請負」として扱い、デザイナー側も「請負」として認識しているからデザイナー側はどうしても「仕事ちょーだい!」の姿勢となってしまう。

企業、特に中小企業はデザイナーにお金を支払うためには限度がある。なぜならば「人件費」という認識だからだ。企業は銀行の考えや租税対策などがあり、「外注人件費」を処理しにくい側面があるのだ。

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中小企業でも「デザインの重要性」は理解している時代になってきたが、デザイナーを使うとなるとデザイナーに十分なフィーを払うことができないので、デザイナー側も安い金額で請け負うしかない。

最近、グラフィック系のデザイナーは「印刷込み」で仕事を請け負い、そこで利益をを出すケースも多いと思われるが、ネット発注印刷業者など印刷費を公開しているため、あまり利益を乗せすぎると足元を見られがち。

そこで。。。

201201173「企業はデザインの価値をわかっていない!」というデザイナー側の悲しい主張をよく耳にするが、そんなことを言っても仕方ない。。

人のつながりで、仕事が舞い込むと思っている人も多いと思うが、それは否定しない。

だが、その「人」がどういった規模の会社でどういう立場なのか?で、仕事になる、ならないが決まる。

デザイナーも「付き合う会社」とビジネスをするという認識でないと価値のある仕事ができないし、一生懸命デザインしたものも表面化しない。

nendoと乃村工藝社の提携は、デザイナーのこれからのビジネスのヒントとなると思う。

うちも、苫小牧のHPRS社と「提携」している。

彼らの「エネルギー設備のノウハウ」とうちの「デザインビジネスコンセプト力」を掛け合わし、いろいろな試作を繰り返している。

僕が思う「デザイナーに提携を求めてくる企業」のポイントは。。。

①自分(企業のキーマン)を良く知ってくれていると感じる(社会的立場と人間性)

②自分の会社に夢と希望を与えてくれるデザインを提案してくれると感じる

③会社を引っ張ってくれるディレクション力を感じる

④企業の利益構造を良く知っていると感じる

⑤デザインフィーの回収モデルの提案ができると感じる

⑥「これは面白い!いける!」というデザインビジネスを知っていると感じる

⑦他社情報、世間事情を良く知っていると感じる

⑧熱い人だと感じる

⑨お金にはフランクな姿勢を感じる

⑩ケツを拭く人だと感じる

⑪デコレーションではない「美しい」本質を知っていると感じる

あくまでも私見ですが。。。

要は情に流されず、冷静に新市場を見据え、企業をリードしてくれるデザイナーを企業は欲している。

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↑フランクな人。。。。汗

今までのデザイナーは「そんなの企業がやることでしょ?」と思うかもしれないが、過去よりより強いデザイナーのプロ意識が要求される時代になってきたと思う。

「デザインでうちを勝たせてよ!良くしてよ!」をデザイナーに託したいのだ。「関わる」のではなく「入り込む」ことだ。

著名なデザイナーの提携話に見えるこの話題。。。。

「著名」というのは何もメディアに露出されることだけではない。

企業側があなたは「著名デザイナー」だという認識と解釈をすればいい話だ。

デザイナーにはもっと、新たなビジネスモデルにチャレンジしてもらいたいと思うし。僕はまだまだ図々しくフランクにやっていくつもりです。

長くなりましたが。。。終わり。。

 

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