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「そもそも論」でシンプルクリエイト!

インダストリアルデザイナーの存在は?

インダストリアルデザイナーの存在は?

またまたブログご無沙汰です。

今日は朝からたまらん、ある意味憤りも感じるような相談を受けたのでブログにして知ってもらおうと思いました。とある地方のインダストリアルデザイナーから「聞いてもらいたいことがある」と昨日メールをもらったので、今日の朝にその方にご連絡しました。内容はデザイナー故、よくある話ですが行政さんとの関係のことでした。中小企業支援についてある行政機関から相談を受け、担当者とその企業へ出向いて相談に乗ってあげたそうです。しばらくはコンサルタントという形でその企業がデザイン活用を納得し実行するまで無償でかかわることにしたそうです。数回、出向き何をしていきたいか?どんな製品で企業価値を高めていくか?などをまとめて、その企業さんもデザイン活用をほぼ決められたそうです。しかし。。。そこからが問題です。行政機関にその報告をし「そこまで来たらあとは民間同士、フィーを決めて実行してください」というアドバイスを受け、企業さんと折衝を始めたそうです。でも、その後連絡がなく、デザイナー側から連絡しても「まだ検討中」という返事で、待つしかないな。。と思いながら数か月、地元新聞にその企業さんと行政機関とのコラボレーションが記事になっていたということです。それも、彼がが提案してきた内容そのものだったそうです。その記事もメールでいただきましたが、内容は確かに行政機関のデザイン部署ができる技ではないと思いました。彼はテクノロジーの知見もありそのエッセンスが入っていたから間違いなく彼のアドバンスデザインなのだと思いました。彼が僕に相談してきたときの第一声が「弁護士を紹介してほしい」でした。そのくらいやるせない憤りを感じていたと推測されます。

この事態、本来なら僕も「ひどいことだ!」と彼に同調するのが仲間同士だと思いますが、前段記事の中で太字でピックアップしてますが、「よくある話」なので、僕は冷静に話を聞いていました。まず、日本の行政機関のデザイン従事部署は、デザイナー=フリーランス(個人事業主)と思われるのが基本です。また、デザイナーの扱いがコンサルタントという意識があります。個人事業主とコンサルタントというバランスが気軽に相談できる人という意識が高いのかもしれません。気軽に相談できる存在なのでフィーの話も気軽にしてきます。無償でしばらく付き合ってくれとかね。。相談段階でフィーを要請するデザイナーも僕自身どうなんだろう??と思いますので、この辺はあまり問題ではないです。ここからが問題といえば問題です。彼が相談を受けている期間に企業さんとアドバンスデザインを作りこんでしまったので、かなり具体的な案だったと思います。当然、企業さんは「これで行きたい!」と思うでしょうね。そこで彼は手ごたえを感じ、その時点でデザインフィーの話をします。しかし、企業さんはその額を支払えないと思ったと思います。誰が埋め込んだ意識なのか?わかりませんが中小零細企業の中でもデザインが好きになった経験を持っていない経営者以外は悲しいですが、デザイン=モノの体裁(意匠)なんですね。デザイン=儲けという構図が証明されていれば別の話ですが。。w よって、企業さんはその行政機関に「デザインフィーが払えないから何とかならないか?」と相談したと思います。そこで行政機関も立場があるので、その相談の範疇で出来上がった彼提案のアドバンスデザインをそのまま「無償」か「格安」の事業費で請け負ったのでしょう。そんな出来事でした。

一見、これを読むと行政機関のひどさを露呈したような内容かもしれませんが、実はデザイナー側にも落ち度がたくさんあります。
・相談を受ける前にデザイナーとの仕事内容を説明すること→どの時点までが相談で、どの時点からフィーが発生するという説明、また知財について法的知見を持ち、提案する内容、例えば、著作権、創作者権限はフィーが発生するまでデザイナー側に帰属しているなどをきちんと説明すること。
・フィーを一式ではなく、細分化したフィー体系を持つこと→めんどくさい作業ですが、どの段階まではいくら、どの過程になったらいくらという明細を提示し、デザイナーがかかわる段階を決めること。
・テクノロジー(エンジニアリング)部分をデザイン作業と一色単にしないこと→エンジニア経験(機械的、電気的、プログラミング的)があるデザイナーはよくやってしまうことですが、デザイン(狭義的→意匠、広義的→市場創造など)作業部分とエンジニアリング的作業部分は、きちんと分けて折衝も分けて行うこと。
・クライアントに入り込みすぎないこと→クライアントはあくまでも仕事仲間です。仕事の上で守らなければならない最低のルールをお互い守る。
・行政機関のせいにしないこと→行政機関のデザイン部署に問題がないわけではないが、彼らは組織人で個人の尊厳ではどうしようもならないことが多いと思うので、彼らの行動は仕方のないことと解釈する。弁護士を雇って訴えるなど、馬鹿な行動はとらないこと。訴えても負けます。

まだ、たくさん細かなことがありますがだいたいこんなことをデザイナー側も気を付けて活動しないといけないと思います。

僕もこの記事に書いてあるような経験をたくさんしました。
でも、不思議なことを感じます。それは「著名デザイナー」はあまりこういう経験をしません。なぜ?(著名になる前はこういう経験をたくさんしていると思います)。それは著名性により世間の見る立場が違うからです。また、著名なデザイナーはその人なりのアドバンスデザインをしっかり描いています。どんなクライアント、どんな案件が来てもその人のアドバンスデザイン感に引き込むことができます。フィーもしっかりとっています。このような人たちを見ていると現代のデザイナーの役割は「リーダーシップ」なのですね。人柄や雰囲気、広い知見、頑固さ、熱い指導など。。。まずそこが、今後のデザイナーが目指す姿だと感じます。だれも著名人を目指せとは言っていません。そのデザイナーなりに存在意義を自分の活動エリアで示せればよいと思います。また、デザイナー側は請負気質ではもう駄目だということです。請け負った時点で、その企業に関係する市場調査やアドバンスデザインを示せる力があるのだから、自ら常に新たな市場アイテムやアドバンスデザインを模索し提案者となり、その提案を請け負ってくれる企業さんとやるほうが現代的です。最終的には意匠権や特許を持ちこんで買ってもらってもよいですし。自社ブランドを企業に協力してもらってやっていくのもいい。

今回相談をくれた方は公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会の仲間です。この協会は2年前までは「インダストリアルデザイナーの職能集団」でしたが、今は「インダストリアルデザインに従事する業種」となり、デザインにかかわっている事業者ならだれでも入会できるようになりました。日本で一番古いデザインの全国組織で大手企業さんがたくさん賛助会員でおられます。いろいろな活動をしていて、将来的にインダストリアルデザインがどのように世間に広がっていくのか?ともに学び、ともに得られる知識やテクニック、他業種にわたる繋がりができます。デザイナーを主業とし、フリーで活動している方も、仲間ができれば悩みや次なる主策をこういった組織に属することで解決できることもたくさんあると思います。
また、僕は埼玉県で活動していますが、埼玉県で地域活性化にかかわりたいなど目的がある方は、公益社団法人埼玉デザイン協議会というデザイン団体もあります。僕も会員です。いずれにせよ、このような団体で仲間を作り、ネットだけでは得られない情報や知見を得て、デザインをどんどん広げていってデザイン=儲けになる証明をしましょう。それもなんだかな??という感じですが。。w

ではまた。誤字脱字あったら勘弁してください。w