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まるまの落書き

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デザインとエンジニアリングを並行してすすめるクリエイティブエンジニアリング手法を用い、製品開発プロジェクト参画等のサービスを展開しています。

デザインドリブンイノベーションの考え方を取り入れた製品開発プロセスについての講演

デザインドリブンイノベーションの考え方を取り入れた製品開発プロセスについての講演

2016年9月某日、北海道デザインマネジメントフォーラム(HDMF)発足8周年記念講演で弊社の登がお話をさせていただきました。

 

HDMFウェブサイトに当日の内容についての村上書き下ろしレポートが掲載されました。

 

HDMF発足8周年記念講演会レポート

発足8周年記念講演会レポート

 

講演テーマは「今すぐ実践!結果オーライ!なデザイン活用」。

デザイン・ドリブン・イノベーションという、
地域の中小製造業企業にとってとても有効な手法について。
熱く語りあげるノボリ。

 

まず最初に、デザイン・ドリブン・イノベーションの考え方を
取り入れた、ファシオネ独自のモノづくりプロセスの紹介をしました。
プロセス設計がとてもユニークで、
中小の製造業企業を「俺様」に、ユーザーや社会を「人様」にみたてており、ファシオネでは「オレさまプロセス」とも呼んでいます。

1:まずは「俺様のため」に何をしたいかを考える
→自分の強み、技術は何か?徹底的にそれを考えて作りたいものを作る

2:「俺様」と「人様」を近づける
→作り出したものに、後から意味をつける。

3:「人様」を驚かせ感動させる
→作っている最中から「人様」に対して積極的に情報発信。
「すごいだろ!」という攻めの姿勢が大事。
そこからファンが生まれ新市場の可能性が見えてくる。

4:その後、「人様」のことを考える
→一旦落ち着いて、作り出したモノを社会問題と結びつけたり、
ユーザーのために使いやすさの向上を図る。

5:「俺様」に感動した「人様」を「俺様」にする
→周りを巻き込み、連携により規模拡大

という流れがオススメです。

designdriven
図:デザインドリブンイノベーションの考え方

まずは俺様主導でのモノづくり(テクノロジープッシュ)を行い、
俺様のものに意味を後付け(デザイン・ドリブン)、すると
スピーディーな革新につながる可能性があるという
「デザイン・ドリブン・イノベーション」は、
実は約10年前からすでに存在していた概念です。

現在、さまざまな業界で人間中心の考え方や社会問題の解決に着目した
「デザイン思考」的な取り組みが盛んになり、
どちらかと言うとモノ単体で驚きや感動を与えるなどの
右脳的なアプローチだけでは「不十分」という評価を受ける風潮があります。


様々な「デザイン思考」関連書籍

「『デザイン思考』的なアプローチによるモノづくりを進めると
あっという間に2年、3年が過ぎ去り、大抵の中小企業において
そこに十分なマンパワーや資金を充てる余力はありません。」

「モノ中心の右脳的アプローチに対する『それだけでは不十分』
といった風潮に萎縮して、現場の新鮮な思いつき発想がつぶれてしまう、
あるいはカタチにする途中で様々な外的要因によってパッションダウン
してしまうような事態を、何度も目の当たりにしました。」

プロのデザイナーですら、
デザインって何なのか?と迷う状態にある現状を、
登は危惧しています。
だからこそ、中小企業が本当に実践できるモノづくりの考え方や
プロセスの見直しが必要なんですね。

 

「オレさまプロセス」は、エンジニア以外の人から
「これって要はシーズ思考でしょ?」と言われることが度々あるそうです。
これに対して登いわく、
「ニーズとシーズを区別していること自体おかしいし!」
「ニーズ側もシーズ側も同じ人間。人間のことを中心に考える
(HCD
:人間中心設計)のは当たり前のことであって、どちらも変わりないよ。」
ということ。

05

 

続いて現在進行中の事例の紹介がありました。

A)「こんなふうにかっこよくバンクしてまがって停まりたい」という、
昔のアニメの写真からはじまった、老舗企業の異分野(モビリティー製造)への挑戦。

B)「代わり映えしない業界をぎゃふんと言わせてやりたい」という、
社長の想いからはじまった、老舗の某製造メーカーの新製品開発。

C)とある地域連携プロジェクトに、Bの老舗メーカーを結びつけ
開発中製品のさらなる広がりを目指す構想。

どの事例も、「自分たちはこうやりたい」という想いから始まって
自ら新市場をつくろうとうする事例で、まさに「オレさまプロセス」的アプローチ。
今後の展開を、乞うご期待!!

その他、早期段階で3DCADデータを使って販促媒体を試作し、
これを活用して市場の反応を伺う早期視覚化手法や、
安価で使えるクラウド3DCAD情報など、じっくりとお話をしたい内容が続いたのですが、
講演時間が少々足りませんでした・・。

 

講演後はHDMF恒例の長い質問タイム。
参加者が4人一組のグループになり、講演内容に対しての感想を話し合いながら講師への質問を作成する形式です。

10点以上の質問が出され、
これらについて、いくつかご紹介します。

Q:「プロダクトデザインにトレンドはあるのか?トレンドと機能が融合するものなのか?」
A:「プロダクト単体でのトレンドというのはないと思う。
  強いて言えば自分たちのやりたいことを時代のトレンドにしてしまいましょう。」

Q:「なぜ『デザインドリブンイノベーション』に行き着いたの?」
A:「ぼく自体がわがままだから。思いつきでいいから、どんどん提案していきたい。
  ヒアリングもするけど、(聞き役にまわるだけではなく)現場で思いついたことを
  どんどん話しながら、相手の反応をひきだすタイプです。」

Q:「想いと強みがない(弱い)お客さんからの相談はどうするの?」
A:「想いと強みがない企業などありません。そもそもそういう人は事業やってません。
  (発信力が弱く外に表現しきれていないという意味であれば、)ぼくが多少強引に
  洗脳しながら(笑)仕事のスタンス以外のところで対話します。」

Q:「『デザイン思考』と『デザインドリブンイノベーション』の共通点と違いとは?」
A:「共通点は、人間中心思考、洞察観察がポイントになること。違う点は最初のアプローチ。
  デザイン思考はユーザーが欲しいものを考える。DDIは強みの技術ベースで作りたいものを考える。」

Q:「想いをストレッチする方法は?」
A:「ストレッチの必要はない。ストレッチするなら強みの方じゃないかな。」

 

あっという間に過ぎ去った2時間の講演、
もっと深く聞きたかったという声も多くいただきました。

会場へ足を運んでいただいたみなさま、
本当にありがとうございました。

「デザイン・ドリブン・イノベーション」概念を基にした「オレさまプロセス」で「ヒトさま」に驚きと感動を与え、未来を切り開いていく企業さまとともに歩んで行けることを切に願っています。

 

最後におまけ。
「そもそもニーズっていうのは、いくらユーザーに聞いたところで、
教えてもらえないよ。デザイン思考を勘違いしちゃうと、
人に聞いてきたことがニーズだという結論におちいりがち。
それをニーズと呼ぶのだとしたら、うちらが考えなきゃならないのはウォンツ。
それは自分たちで想像して創造したものを見せて魅せて惹きつけて、
人に驚きと感動を与えないと生まれてこない。」
登語録より抜粋。(講演では話したかどうかは定かではありません。)

HAPPY CREATE!